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商標「コシヒカリ」が中国で使えないって本当?商標登録に関する怖いはなし

以前本ブログにて、商標トラブルが原因で会計事務所様が屋号を変更された事例を紹介しました。

↑↑は日本の事例ですが、商標に関するトラブルは圧倒的に外国で起こることが多いです。どこの国が多いかというともうダントツで中国です。皆さんもニュースで読んだことがあると思いますが、中国では「無印良品」「伊佐美」「今治タオル」「クレヨンしんちゃん」といったビッグネームが全く無関係の他人に勝手に商標登録されてしまう事案が多発しています。他人に商標登録されてしまうと、例え自社商標であっても中国で商標を使用することができないばかりか解決までにめちゃくちゃ「お金・時間・労力」がかかります。超理不尽ですよね?でもそれが現実なんです。


少し前に商標トラブルの事例を調査した際、なんと!日本人なら誰もが知っている新潟県のお米のブランド「コシヒカリ」が中国で商標トラブルに巻き込まれていたという記事を見つけました。私、恥ずかしながら、この件を全然知らなかったんですよね。

新潟県民なのに。実家が農家だったのに!!

新潟県民としてこれは捨て置けない問題なのと、元記事が少々古かったこともあり、現在(2022年2月時点)はどうなっているのかを調べてみました。

ちなみに元記事はこちらになります。2009年1月の記事です。

中国ではアルファベット表記の外国ブランドでも漢字で表すのが一般的です。

例えば「コカ・コーラ → 可口可楽」「スターバックス → 星巴克」といった具体です。

「コシヒカリ」はどうかというと「越光」になります。そのまんまですね。

中国商標局のデータベースで「越光」を検索してみるとどうなるかというと・・・。

こんな感じです。

中国商標局データベースの検索結果の一部ですが(2022年2月2日に検索)、「越光」の文字からなる相当数の商標が登録されているのがわかると思います。「越光」に他の文字がくっついている結合商標も多いですね。


この中で大事なのは商品「米」に関する登録ですが、それはこちら↓↓

中国で「越光」を使用できないことはコシヒカリの販売において大きな痛手だと思われます。本来は「越光」を使用できるように、例えば不使用取消審判や譲渡交渉等の然るべき対応を取るべきだと思いますが、本ブログを執筆時点では何らの対応もされていないように見えます。

これでいいのかコシヒカリ。

他人に取られてしまった権利は戦って取り返さないといけません!知財は戦いです!!


中国で「越光」ブランドを使用したければ、その為のアクションを取る必要があります。

実際問題、泣き寝入りしたままでは全く事態は好転しません。外国では猶更です。


ただ日本では誰がコシヒカリの商標権を登録しているのかな?と思って少し調べてみましたが、どうやら日本では誰も商標権を所有していない状況のようです。普通名称化しちゃってるのかな?確かに日本では特定の誰かが独占するには馴染まない商標かもしれません。お米のブランドが商標登録できないってことではありませんよ。例えば「新之助」は新潟県が商標登録してました。


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恩田俊郎